【コラム⑧】AIを使えば、住民に「伝わる」ようになるのか?(9/24更新)

杉並区広報専門監として現役で自治体広報に携わる谷浩明が、
広報・情報発信について考えていることをお伝えします。
自治体でも、生成AIを活用する場面が少しずつ増えてきました。
文章の作成や要約、アイデア出しなど、 生成AIは情報発信の業務を効率化するうえで、 とても相性が良く、便利なツールだと感じています。
一方で、
生成AIを使えば、住民に「伝わる」情報になるのか。
というと、私は必ずしもそうではないと考えています。
例えば、
「この文章を分かりやすくしてください」
と生成AIに指示すれば、 文章を短くしたり、表現をやさしくしたりすることはできます。
しかし、その前に、
誰に伝えたいのか。 何を伝えたいのか。 なぜ伝える必要があるのか。 その人にどうしてほしいのか。
が整理されていなければ、
AIがつくった文章も、結局は 「それらしい文章」 で終わってしまいます。
生成AIが得意なのは、与えられた情報を整理したり、
表現を変えたり、文章のたたき台をつくったりすることです。
では、人が考え、判断すべきことは何でしょうか。
情報発信の目的を決めること。 誰に届けるべきかを考えること。 何を優先して伝えるのかを判断すること。
どう行動してほしいいのかを考えること。 だと思います。 自治体の情報には、 制度、手続き、対象者、条件、期限など、多くの情報が含まれています。
それらをそのままAIに入力して 「分かりやすくして」 とお願いするだけでは、 本当に必要な情報が伝わるとは限りません。
まず必要なのは、情報そのものを整理することです。
私は自治体の情報発信を考える際に、
この事業は何のために行うのか
情報発信する目的は何か
特に情報を届けたい人は誰か
その人にどうなってほしいのか
を整理することが重要だと考えています。
生成AIを使う場合も、この考え方は変わりません。
むしろ、ここが整理されているほど、生成AIは力を発揮します。
例えば、
「子育て支援制度のお知らせを分かりやすくしてください」
と指示するのと、
「初めてこの制度を知る乳幼児の保護者に向けて、 対象になるかどうかを判断でき、申請方法まで理解できる文章にしてください」
と指示するのでは、 AIから出てくる内容も大きく変わります。
つまり大切なのは、
AIに何を書かせるかではなく、
その前に人が何を考えてAIに指示をするのか?
だと思います。
生成AIは、自治体の情報発信を助けてくれる便利なツールです。
しかし、
AIを使うこと自体が目的ではありません。
情報発信の目的は、住民に必要な情報が届き、 理解され、必要に応じて利用や行動につながることです。
生成AIを活用するからこそ、
誰に、何を、なぜ伝え、どうなってほしいのか。
情報発信の基本を、これまで以上に丁寧に考えることが 重要なのではないでしょうか。
合同会社MACARONでは、 杉並区広報専門監として現役で自治体広報に携わる谷浩明が、
自治体向け広報研修やAI時代の情報発信支援を行っています。
ご相談から研修・助言まで、谷浩明本人が対応します。 ご興味がありましたら
お気軽にお問い合わせください。
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